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経営にあたって大切な「内部留保金」とは?

経営にあたって大切な「内部留保金」とは?

整骨院・接骨院には保険診療というキャッシュフロー上の不利な仕組みがあります。その影響を受けないようにするためには、内部留保金の把握と確保が大切です。こちらでは、内部留保金の概要と、安定経営に向けたポイントについてご紹介します。

内部留保金とは何か

まずは、そもそも内部留保金が何かについて解説していきましょう。

字面だけを見れば「内部に留まっている(留保)しているお金」ですから、口座や金庫に残っている資金のことを指すように思えるかもしれません。しかし実際には、この資金のなかには未払い(将来的に支払うものも含む)の家賃や人件費といった経費が含まれています。さらに、決算期(確定申告時期)にはここから所得税や仮受消費税の支払いが待っています。

これらの支出を差引すると、支払後に残るお金は現預金の額面通りにはなりません。つまり、内部留保金は現金とイコールではないのです。

利益余剰金が内部留保の主体

では、内部留保とは結局何を指すのでしょうか? そもそも内部留保という言葉自体は、正式な簿記会計用語ではありません。そのためいくつかの考え方がありますが、基本的には利益余剰金であると認識しておきましょう。

利益余剰金とは、貸借対照表(バランスシート)の「純資産の部」に記載された金額のことです。もう少し簡単に言えば、売上から経費を差し引き(税引き前利益)、そこから税金分を除いた金額に、資本金・資本準備金を加えたものです。なお、法人の場合はここからさらに株主配当金などを差し引く必要があります。

このように、利益余剰金(内部留保金)とは、すべての支出を除いたうえで事業者に残るお金のことです。この本質を理解していないと、現在自分の院にどれだけの体力があるのかが分からなくなるのでご注意ください。

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保険負担の収入は入金まで時間がかかる

整骨院・接骨院の経営を進めていくうえでは、キャッシュフローの把握が必要です。そのためには、保険診療の入金サイクルについて理解しておきましょう。

たとえば小売業の場合。商品を販売すればその時点で現金収入が得られます(クレジットカードなどを除く)。保険診療を行う整骨院・接骨院の場合には、請求から入金までにタイムラグが生じます。

保険請求は会計上、売掛金にあたります。仕訳の際には「保険未収入金」とされ、入金時には「保険請求収入」として処理されます。このサイクルは約1カ月半程度。たとえば2月の診療分は4月中盤以降に入金となるのです。

自費診療メニューであればその場で会計を済ませ、現金収入を得ることもできるでしょう。しかし、多くの整骨院・接骨院では保険診療のメニューを用意するのが一般的です。その場合は、こうした掛取引のような支払いサイクルが発生することを覚えておきましょう。

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入金のズレが招くキャッシュのショートに注意

保険診療による売上は売掛金であり、資産です。しかし、預金および金庫にはまだ入金がなされていませんから、それを支払いに充てることはできません。つまり、資金は十分にあるにもかかわらず、資金がショートしてしまう可能性もあり得ます。

収支上は黒字なのに倒産してしまう企業があるのは、このようにキャッシュがショートしてしまうからです。解消方法としては金融機関からの借入などもありますが、即時融資が受けられなければ時間切れとなり、支払いが滞ってしまいます。

このように、経営を行ううえでは財務状況を把握しつつ、キャッシュフローについても目を配る必要があります。いつ、いくらの収入があり支出があるのかを明確にしつつ、現在はどれだけの内部留保があるのかを把握しておくことが経営者には求められるのです。

内部留保金があることで安心して経営可能

前項のように、財務上は問題がないにもかかわらずキャッシュが足りないという状況を避けるためには、日頃からの蓄えが大切です。月々の売上のなかから内部留保金を確保し、それを事業で使う現金資金としましょう。

たとえば月商が100万円であれば、そのうちの2 割にあたる20 万円を内部留保金に、4割にあたる40万円を固定費にできていれば、健全経営であると言えます。一般的に「売上がなかったとしても、3カ月は固定費の支払いができるだけの蓄えがあれば安心」と言われています。この言葉に当てはめるなら、20万円の純利益を半年間得られれば120万円の内部留保金が貯まり、3カ月分の固定費になります。

開業に向けて資金計画を立てている際や、これから新たにスタッフを雇い入れようと考えるタイミングでは、上記のバランスを思い出してみましょう。単に黒字だから安心ではなく、きちんと内部留保金を増やせているかどうかが、事業の安定化につながります。

まとめ

内部留保金の考え方は複雑ではあるものの、保険診療によってキャッシュフローが崩れやすい施術院業界においては慎重に扱うべき要素です。末永く、余裕を持った経営を続けるためにも、ぜひ今回ご紹介した内容を参考にしてください。

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