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ボディメカニクスを体得して介助をスムーズに進めよう!

ボディメカニクスを体得して介助をスムーズに進めよう!

介護や高齢者の対応時には、前傾姿勢や腰をひねるといった動作が多くなります。人を介助するのには大きな労力が必要であり、介助者側の体力に限界が来てしまうときも。
ボディメカニクスは、こうした事態を避けるのに役立つ動き方です。こちらでは、ボディメカニクスの概要や原則、活用例についてご紹介していきます。

1.ボディメカニクスとは

ボディメカニクスとは、身体(ボディ)を機会学的(メカニクス)な原理で動かすことによって、介助者および利用者の身体負担を軽減する仕組みのことです。日本語では「身体力学」と言われ、関節や筋肉、骨、神経などの各器官相互関係のことを指します。介助で必要となる移乗や寝返り、歩行などに用いると、無理なく身体を起こしたり、向きを変えたり、移動させたりできます。

1-1.どうして注目された?ボディメカニクス普及の理由

2008年に滋賀医大グループが行った介護事業所向けの全国調査によれば、「現在、腰痛がある」と回答したのは全体の約半数以上。さらに、「就労後に腰痛になった」というケースは約8割にものぼりました。

こうした背景もあってか、厚生労働省は腰痛発生頻度が高い職場へ「職場における腰痛予防対策指針」を定め、2013にはその指針を改訂。社会福祉施設も適用対象となります。

事業所向けの指針の中には、腰痛リスクアセスメントの一環として、ボディメカニクスを教育や研修に取り入れることが記載されています。これを受け手、職場だけでなく教育機関などでもボディメカニクスの授業が行われるようになりました。

参考サイト

2.ボディメカニクス実践時に把握しておくべきポイント

ボディメカニクスには、8つの原則があります。介護現場はもちろん、ご高齢の方に対応する際にはこれらのポイントを思い出すようにしましょう。

2-1.面積-広く取ることで身体を安定させる-

床に接地している両足を円で結んだ面積のことを支持基底面積と言います。これを広くとることで身体が安定するため、介助の際は足を前後左右に広げる姿勢が望ましいです。

2-2.重心-腰を落として重心を低くする-

膝を曲げて腰を落とすと重心が低くなり、安定感が増します。また、大腿筋を使うため転倒しにくくなるというメリットもあります。

2-3.距離-双方の重心を近づける-

介助者が力点となる場合、対象者は支点に当たります。そのため、両者が近づくと少ないエネルギーで大きな力を生み出せるようになります。

2-4.筋肉-大きな筋群の使用を意識する-

腕などの筋肉は疲労しやすいため、背筋や大腿筋などの大きな筋肉を使用するよう心がけます。また、身体全体の筋肉へ重量を分散させるとより効率的です。

参考サイト

2-5.摩擦-対象者を小さく丸くまとめる-

対象者の腕を組ませたり、膝を曲げたりして、できるだけ身体全体を小さくまとめます。ベッドなどに接地する面積が小さくなり、摩擦が減るため必要となる力を小さくできます。

2-6.移動-水平を意識し負担を軽減する-

上下の動きは重力に影響を受けます。とくに持ち上げる動作は大きなエネルギーが必要です。水平移動であれば重力に逆らうことがないので、負担軽減につながります。

2-7.姿勢-介護者は身体をひねらない-

介助者の上体がひねられると安定感が低下します。それを支えるために、筋肉や腰の負担が増えてしまいます。介助の際は、上半身をひねらず固定し、重心移動を心がけましょう。

2-8.テコ-テコの原理でエネルギー効率を上げる-

たとえばベッドサイドに膝を押しつけ支点とすれば、テコの原理で効率的にエネルギーを生み出せます。支点・力点・作用点を意識して介助を行うと、身体的負担を大幅に軽減できます。

3.ボディメカニクスの活用例

次に、ボディメカニクスを実際に活用する際の手順について見ていきましょう。今回は、ベッドから車椅子へと移動する一連の流れで確認していきます。

3-1.【1】ベッドから立ち上がる

まずは対象者にベッドへ腰掛けた姿勢を取ってもらいましょう。その後、肩の後ろへ対象者の健側の手を回します。その後、介助者の患側の外側に足を揃えたまま、介助者に前屈みの状態で立ち上がってもらいます。この動作はまさにボディメカニクスであり、立ち上がる側も介助する側も、少ない力で済みます。

参考サイト

3-2.【2】身体の向きを変える

うまく立ち上がれたら、次は身体の向きを変えます。健側の足を軸に数回足を踏み換えてもらうことで、楽に身体の向きを変えられます。なお、介助者は転倒を防ぐために、腰回りを掴んで上に持ち上げながら支えてあげましょう。

3-3.【3】車椅子へ座る

対象者に車椅子の着座面を見てもらいます。その後、腰を落としていってもらいますが、この際介助者は対象者と一緒に腰をおろしていきます。

4.まとめ

介助は楽なものではありません。非常に体力のいる行為です。だからこそ、できるかぎり負担を減らせる工夫をするのが大切と言えるでしょう。今回ご紹介したボディメカニクスもそのひとつです。ぜひ普段の業務に取り入れて、ご自身の負担軽減に役立ててください。

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